[フェルトシューズの作り方]



継ぎ目もないし、どうやって作ってるの?とよく聞かれるフェルトシューズ。まずウール原毛を型紙に合わせて配置し、その後はひたすら石鹸水をかけつつ、手でこすってウール同士の繊維を圧着させていきます。ある程度の整形が終わったら、足の木型にはめて圧着整形を続けます。この圧着が弱かったり、均一でないと、毛玉が出来たり、表面がでこぼこになったり、長く使える商品に仕上げることは出来ません。特にブーツには熟練した仕事が必要で、工場の熟練した女性だけがブーツを制作してくれています。



全て手仕事なので、スリッパは1日2足、ブーツは1日1足、しか出来上がりません。ラグは二人掛かりで3日を要します。冬の寒い時期は、彼女達の手を守るためにお湯を使い、手を使うシューズ制作でなく、足を使うラグ等をメインに制作します。 ai,のフェルトシューズは、100%ピュアウールを用い、1足ずつネパール女性の手で作られています。

制作をお願いしている工場は、ネパールでは仕事を得ることが難しい女性の自立をサポートする施設。ai,のフェルトシューズを作ってくれているのはここで働く女性達です。 ai,は、制作をお願いする工場には、必ず出向き、現場で働く労働者が劣悪な環境で働かされてはいないか、きちんとした報酬が支払われているかを確認し、それらの条件をクリアする工場とだけ仕事をしています。 

染め分けられたウール原毛

[作り方大公開!]

型紙を中心に挟み、ウール原毛を配置した後、ネットでくるみ、石鹸水で圧着を掛けていきます。

そして.. ひたすらこする!



まだまだこする!

ようやくブーツっぽくなってきました。今度は丸めて..



ひたすら押しまわし!



ただただ押しまわし!

ある程度圧着できたら、今度は木型にはめて‥



ひたすらこする!



まだまだこする!て、手が見えない!

整形後、この大型脱水機で水分をとばし、自然乾燥。(脱水機が、唯一の電力を使う仕事)乾燥後、フロントカットを入れ、ボタン付け・ボタンホールを施し、工場での仕事はここで終わり。その後、シューズは検品女子の元に運ばれ、検品、ホコリ取り、タグ付けをし、ようやく日本へ発送されます。

[スリッパ編]
スリッパは、成形後印刷屋に運ばれ、すべり止め印刷を施します。



スリッパと中敷のすべり止め印刷もモチロン手刷り



刷り方次第では、均等に印刷がのらず、印刷がまばらになってしまいます。
信頼できる職人の技。

印刷後すぐに熱を当てて膨らませます

これでようやく完成


全ての行程に人の手が関わり、機械に頼る行程は脱水と印刷時の熱だけ。100%ピュアウールのお陰だけでない人の手のぬくもりが、商品をよりあたたかく仕上げてくれています。1日1足しか出来ないシューズ。制作現場の彼女達の冬場の寒い水場での仕事に想いを馳せ、愛着をもって履いて頂けると嬉しいです。